今から準備が必要!50代になったら考える歯科医師人生のゴール戦略

このコラムでは、歯科医院経営のゴールにはどのような選択肢があるのか?また、いつから意識し始めれば良いのか?についてご紹介します。

がむしゃらに患者様、歯科医療に向き合ってこられ気が付けば、開院20年…。年齢も50歳を超え、ご自身の歯科医師人生をどのように締めくくりたいか、今後の人生プランを意識しはじめた院長も多いのではないでしょうか?

『まだ50代。歯科医師人生のゴールなんてまだ早い』と考えながら、すでに70歳を超えて選択肢がほとんどない、という話も少なくありません。

比較的歯科医院に近い中小企業では、事業承継は15年かけて行うことを推奨するコンサルタントも多く、戦略的な継承準備の必要性がある指摘されています。

時間の余裕がある50代から歯科医師人生のゴールを考えることで、選択肢を広げ、納得の結果を手に入れられる可能性が高くなります。

目次

将来の医院とのかかわり方を考える

ある院長との雑談の中で『早めに引退して、午前中だけゆっくり診療していたいな~』という言葉をお聞きしました。

そこで『この医院は最終的にどうしていきたいですか?』とお聞きすると、「出来れば、現在の患者様、診療方針などはそのままで誰かに引き継ぎたい」という回答が返ってきました。

このコラムをお読みの院長先生は将来医院をどうされたいですか?

多くの場合、以下の選択肢から選ぶことになります。

  • 子どもや親族に医院継承をする。またはする予定がある。
  • 医院や医療法人を、第三者に継承してもらう。
  • 事業、建物を売却して資産としたい。
  • 閉院、廃業する。

院長ご自身が、60歳、70歳になった時に、自分がつくってきた医院とどのように関わっていたいのか?生涯現役として、少しでも働いていたいのか、完全に引退してしまいたいのか。それによっても医院の将来像も変わってくるのです。

医院継承は「後継者の育成」

新規開業や医院経営も難しいものですが、歯科医院が飽和している現代では、開業することより存続させることの方が難しいと言われます。
地域の患者様に長年親しまれ、根ざしてきたことは、先生の医院理念、診療方針が評価された証であり、そのイズムを自身が引退した後にも残していきたいと考えることは当然のことと思います。

では、前項の①や②のように、医院の継承を考える場合はどうでしょうか?

山下淳一郎氏著『ドラッカーが教える最強の後継者の育て方』には、
『自らを存続させられない組織は失敗である。したがって、明日のマネジメントを担うべき人材を今日準備しなければならない。』とあります。

医院継承とは、診療内容、患者情報、治療技術を新院長に引き継げばよいように思われるかもしれませんが、地域の患者さんの期待に応えていくためには、今まで蓄積された、医院理念、マインド、患者様への対応方法、スタッフマネジメント、経営判断など様々なノウハウまでを継承していくことが望ましいと言えるでしょう。

言葉を変えれば、院長が築き上げてきた「地域の患者様に愛される医院を継承する後継者を育てあげること」でもあります。

真の後継者は「仕組み」と「カルチャー」

後継者である歯科医師が見つかったあとに、その歯科医師を育てればよいのでしょうか?

新院長がまだ人生経験が少ない場合、引継いですぐに院長と同じにできるはずもありませんし、後継者育成には時間がかかります。「明日のマネジメントを担うべき人材を今日準備しなければならない」の指摘通り、医院継承は早めに考え始めるに越したことはありません。

では、医院継承をスムーズに行い、院長の医院理念、マインド、治療方針、診療ノウハウ、スタッフマネジメントなどのイズムを残すにはどうしたらよいのでしょうか。

その答えは「仕組みとカルチャーをつくること」です。
「仕組みとカルチャー」を作ることにより、院長が抜けた後でも、ノウハウ、イズムを実行するスタッフが育つことで、同じ質の医療サービスを提供し続けることができるのです。

この「仕組みとカルチャー」そのものが、経験の浅い新院長を育てる力にもなり、これまでの良い所を継承しつつも、自身のカラーを出し、医院をスムーズに継承していけるようになるのです。

仕組みとカルチャーを作る5つの流れ

仕組みとカルチャーは以下の5つのステップでつくっていきます。

  • 医院理念の言語化、スタッフへの浸透
  • 診査診断、治療計画の診マニュアル化
  • スタッフ教育、人事制度の整理
  • 就業規則、医院ルールの明確化
  • 幹部スタッフの育成、イズムの継承

私がサポート担当している医院様でも継承を想定して上記の流れで「仕組みとカルチャー作り」を進めています。

仕組みとカルチャーを作るうえで、一番重要なのは、医院理念です。
まずは「医院理念の言語化・明確化」を院長と一緒に行い、スタッフへ方針として発信します。
方針の落とし込みは様々な場面で丁寧に行うことが必要です。

そして、仕組み化のために継続的にスタッフとのミーティングを行いながら、方針の具体的な展開である、治療の回し方、患者様への対応、アポイントの入れ方などを話し合って、ルール化、見える化、文章化していきます。

この過程で、さらに院長の考え方、方針がスタッフの中に落とし込まれ、仕組みが整備されるとともにカルチャーが醸成されていきます。

また幹部スタッフが育つ仕組みやカルチャーとして重要なのは「あり方教育」と言われる取り組みです。

あり方教育には「仕事観を育てる」「人生観を育てる」という面があり、難しく感じるかもしれませんが、大上段に構えずとも院長が仕事に臨む想いや診療へのポリシーなどを通じ、ご自身の仕事観、人生観を率直に伝えていくだけでも、スタッフは知らず知らずのうちに影響を受けるものです。

こうした取り組みが一定の期間を経過しマネジメントの基盤ができてくると、新たにスタッフの入退社があっても、医院ルールが明確なので、新しいスタッフも同じように動けるようになってきます。

ここまで「仕組みとカルチャー」が定着すると、院長交代の際にも、医院の方針、診療流れの引継ぎなども理解しやすく、スムーズに行えますし、患者様にとっても、これまでと変わらないかかりつけの歯科医院として喜ばれるでしょう。

今からできる医院継承の準備

ここまで読まれてお気づきになられたと思いますが、上記の取り組みは、医院継承に関わらず「安定した医院運営の基盤をつくる取組み」であるともに「生産性の高い事業を育てるマネジメント」そのものでもあります。

こうした基盤ができていれば、途中から承継ではなく、売却というゴールに切り替えた場合でも、市場価値の高い状態となっているでしょう。

医院継承は、引継ぐ歯科医師が見つかってから始めるのではなく、引継ぐための組織づくり、スタッフ育成などの仕組みづくり、カルチャー醸成を今から始めることができるのです。

仕組みづくりやカルチャーづくりは、時間とエネルギーがかかりますが、歯科医師人生の終盤に納得のいく選択をするうえでも大きな価値となります。

投資できる財務力や気力・体力がある50代から、歯科医師人生のゴール戦略を考えていくことをおススメいたします。

まとめ

本コラムでは、誰にでも訪れる歯科医師人生のゴールを50代から考えはじめる意義と、どのような選択をするにあたっても有利な条件を整える歯科医院のマネジメントのツボについてご紹介してきました。

「後継者の採用」、「仕組み」や「カルチャー作り」など、どこから手を付ければよいか分からない。相談や実務をサポートしてくれる存在が欲しい。こうしたご希望がある方は私たち「Mr.歯科事務長サービス」の活用についてお気軽にご相談ください。

この記事の解説者

Mr.歯科事務長

高橋 信吾 Shingo Takahashi

北海道出身 血液型A型

札幌市に生まれ、ブライダル業界でウェディングプランナーを経験。その後、歯科業界へ転職。

歯科ディーラーや歯科サポート会社で営業や新規開業・リニューアルオープン、医院の立て直しなど経験。

MOCALへ転職し、現在では、院長の右腕となる参謀役かつ実務推進者として、院内仕組みづくり・経営相談役・スタッフ面談から総務実務まで幅広く担当し、院長の個性や強みを活かした医院経営・オリジナルの発展繁栄に尽力しています。

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