人材紹介エージェントから“依怙贔屓”される裏ワザ

歯科医師や歯科衛生士のみならず、受付やアシスタントに及ぶ「スタッフ採用」は、いまや歯科経営を大きく左右する重要度の高い取組になっています。

このコラムでは歯科医師採用、歯科衛生士採用のチャネルとして活用が増えている「人材紹介会社」との上手な付き合い方についてご紹介します。

目次

人材紹介は最終手段ではなく常套手段

「紹介で採用してすぐに辞められるとリスクが大きいからね」
「登録しても良い人なんて滅多にこないじゃない」
「そもそも紹介料が高いんだから、本当に困ったら利用は考えてもいいと思う」

採用の打合せ中に院長先生からよく聞くお言葉です。

どこか“まだうちには関係ない”といった雰囲気で、現実味なく最終選択肢として保留にしている事が多いと感じます。

恐らく、これまで人材紹介に良い印象を持っていない、あるいは実際に苦いご経験があるためではないかと思います。

ちなみに私は、Mr.歯科事務長として、歯科医院経営のサポートを行う前は、人材紹介エージェントとして、多数の医療機関等へ200名以上の人材をご紹介してきた経験がありますので、人材紹介の“中の人”としての経験と、歯科採用現場の両方の経験を持つ日本でも数少ない存在ではないかと思います。

こうした視点から、院長先生に取り組んでいただきたい「紹介会社を味方にするコツ」をご紹介したいと思います。

人材紹介サービスに対して「右から左に人材を流しているだけなのに、高いフィーを払いたくない」と考えていらっしゃる院長先生もいるかもしれません。
しかし、上手に活用すれば、「人材紹介」の活用は、人材採用において最終手段ではなく、常套手段として活用できる価値ある取組みにできるでしょう。

歯科経営課題の1丁目1番地はやはり「採用」

採用が非常に難しい昨今、特に歯科衛生士の求人倍率は、新卒で23.3倍と非常に高い水準になっています。
※全国歯科衛生士教育協議会「歯科衛生士教育に関する現状調査の結果報告」(令和5年度)より

つまり、歯科衛生士1人を20軒以上の歯科医院が奪い合う超売り手市場にあり、歯科医院の求人は供給過多になっているのが現状です。

歯科医院の経営においても、採用課題が1丁目1番に上がる事が多く、“採用課題は全く無い”という歯科医院の方が少ないのではないでしょうか。

選択肢は紹介エージェントが100%握っている

そこで、あの手この手と様々な手を打っていく中、最後の砦とばかりに、仕方なく人材紹介会社に登録をする、というのが実際ではないでしょうか。

かつ、“いい人を紹介してもらおう”と、少し期待感も抱きながら紹介を待つ事になると思います。

しかし、ここからが大きな落とし穴です。

人材紹介会社に登録したとしても、紹介するかしないかは100%エージェント側が握っているのが事実です。

人材紹介会社も1人の求職者に対して、複数の求人を紹介し実際に面接したい医院を選択してもらっているはずです。

まずはその複数の求人医院の中に入る事、かつ積極的に「この医院はいいですよ」とエージェントから勧めてもらわなければ、マッチングどころか、紹介情報も集まってはこないのです。

少しイヤらしい言い方をすると、紹介会社やエージェントに、「自院を依怙贔屓してもらう」必要があると言えるでしょう。

「優先的に紹介したい」と思ってもらう秘訣

ではその貴重な求職者を、エージェントは一体どのような基準で医院に紹介してくれるのでしょうか。

それはズバリ、院長の「採用意欲の熱をリアルに感じられるかどうか」です。

診療でお忙しい院長とお話しできる機会が少ない為、電話口でも「今人材が絶対欲しいのだ」と、現状や欲しい人材の理想像を真摯に伝えれば伝えるほど、エージェントは熱が入ります

「この医院に何とか人材を供給したい」というスイッチが押され、数多くの求人の中から頭一つ飛び抜けた存在になれるのです。

また、待遇・福利厚生等、誰からも見る事ができる情報を提示するだけでは、紹介先には選ばれません。

エージェントは、求職者に「今後活躍してほしい」「仕事で幸福感を感じてもらいたい」と切に願い、送り込む先を吟味しています。

つまり、「医院内の情景が浮かぶか」「求職者の働く姿がイメージできるか」を最重要視しているのです。

そのためエージェントには求人情報には載っていない、院内の情報(スタッフの人間模様やキャラクター、会話内容)を院長の言葉で伝えていただきたいと思います。

Goood
紹介エージェントから好かれる対応
院長のみならず、医院全体で丁寧・親切な応対をする

「院長先生は紳士で穏やかです」「受付さんの対応も良く、雰囲気の良い医院です」と求職者に強く紹介してもらえます。
医院で働いたことのないエージェントからすれば、この応対品質が印象の全てです。

ミスマッチな紹介情報だったとしても感謝を伝える

「そんな人採らないよ」と言わず、マッチしない理由や欲しい人材層を伝えます。
「より精度を上げて次回紹介しよう」と思ってもらえるはずです。

採用状況や条件に変更があった際は連絡する

細やかに定期的に連絡をすることで、印象良く医院を覚えてもらえるでしょう。

Bad
紹介エージェントから嫌われる対応
医院にかかってきた紹介会社からの電話をスタッフが雑に扱う

「雰囲気×」のレッテルを貼られ、求職者が希望しない限り紹介されません。

エージェントに対して礼節を欠き、高圧的に対応している

早期退職されたくないので、求職者が希望してもプッシュしてもらえません。

レスポンスをしない

スムーズに連絡が取れる他院を優先されてしまいます。

労働条件、勤務環境が整備されていない

他院に競り負けてしまいますので、改善着手できる点を確認しましょう。
直接エージェントにポイントを聞いてみるのも良いと思います。

紹介を引き寄せるウルトラC

ある医院のお話しをご紹介します。

パソコンに向かい一心不乱に資料を作成している院長先生。

どこで使用するのか尋ねると「今日行く紹介会社用のプレゼンテーションを作っているのだ」と仰います。

なんとわざわざ紹介会社に自ら出向き、自作のスライドを持って、自院の紹介を行う事を企画していたのです。

プレゼンの中身は、医院の治療方針・今後のビジョン・スタッフの紹介・院内の一日の流れ・新スタッフの迎え入れ方法、新スタッフに期待する役割や仕事内容がびっしりと書かれてあり、歯科医院の運営状況や、スタッフのマネジメント体制が熱く表現されたもので、大変な熱量でした。

「紹介会社は院外に設置した採用課だと思う」「自院の力だけでは出会えない人材と出会いの場を創ってくれる夢のサービスだ」と人材紹介の利用価値を定めて行動したのです。

その院長先生の行動や敬意を持った言葉が「ここに紹介すれば間違いない」とエージェントの心に刺さり、その後多くの紹介情報が集まる事となりました。

これはまさにエージェントから良い依怙贔屓を受けた一例ですね。

エージェントに向けて自院のプレゼンを作成してみる事で、採用課題の本質が見えて、現状の頭の整理にもつながりますので有効だと思います。

「さすがにここまでは…」と躊躇せず、他院が行っていない今がチャンスです。

どうしても時間が取れず難しい場合には、まずは紹介エージェントとの連絡連携の回数を増やす、自院に招いて見学してもらう、等行動を起こしていくことをお勧めします。

またこうしたご多忙な院長先生には、弊社のような「アウトソーシング」を活用いただくことも課題解決の有効打の一つです。 Mr.歯科事務長では、採用活動に特化した採用代行プランや、採用から労務、定着まで幅広く医院の人事をサポートするプランまで、幅広いプランで歯科医院経営支援をさせていただいています。

この記事の解説者

Mr.歯科事務長

春田 学 Manabu Haruta

千葉県出身 血液型O型

医療介護特化型の人材紹介事業の立上げや、訪問看護ステーション事業の立上げを担当し、看護師や理学療法士の採用やマネジメント、利用者獲得の営業活動、レセプト等の事務業務の責任者として活躍した。

10年間の医療業界での経験を昇華させ、更なる成長を求め、MOCAL株式会社に入社。

現在は経営参謀プランを担当し、院長に寄り添ったオリジナルの成功を実現すべく全国で活動中。

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